【DPP4】サードパーティー製レンズでレンズデータを認識する方法

2022年1月2日ソフト

DPPのアイコン

この記事では、「Digital Photo Professional 4」で、キヤノン(Cannon)の純正以外のサードパーティー製レンズで、「レンズデータ:あり」と認識させる方法について書きます。

シグマやタムロン製のレンズでも、レンズデータが使えるようになります。

Digital Photo Professional 4のスクリーンショット

サードパーティー製レンズで撮影したRAW画像を、純正品のレンズデータに置き換えることで、Digital Photo Professional 4(以下、DPP)でレンズ補正が使えるようになります。

具体的には、ExifToolGUIと呼ばれる写真のExif情報を置き換えるソフトを使って、レンズデータを純正レンズに置き換えます。コマンドで一括処理、一枚ずつ処理できます。

通常、キヤノン製レンズで撮影したRAW画像は、DPPで読み込むと「レンズデータ:あり」表示されて、レンズ補正が使えます。

一方、純正ではないサードパーティー製レンズ(TAMRON、SIGMA等)で撮影した画像は、「レンズデータ:非対応」と表示されます。デジタルレンズオプティマイザなどのレンズ補正機能がグレーアウトして使えません。

サードパーティー製レンズだとレンズデータが使えない

純正レンズを使ってほしいキヤノンの戦略です。当然といえば当然です。では、どこでレンズを識別しているかというと、ずばりExif情報です。Exif情報とは、画像に登録されているデータのことです。撮影場所、日時、ISOやF値などの撮影設定、撮影機種などが含まれています。

つまり、Exif情報を純正レンズのものに置き換えることで、シグマやタムロンなどのサードパーティー製レンズでもレンズ補正が使えるようになります。

Windows10、Windows11どちらでもできます。

前提

本記事は、DPP4を既にインストールしている・使い方をある程度知っている方向けの内容です。

DPPは、一眼レフで撮影したRAW画像(CR3とかも含む)を加工して、JPGとして出力できるソフトです。本ソフトには、レンズにあったデジタルレンズオプティマイザ(解像度をあげる機能)、歪曲、周辺光量、色にじみを調整できる機能”レンズ補正”が搭載されています。

その機能は、キヤノン純正レンズでないと使えないようになっています。本記事では、そのロックを解除する方法について書きます。DPPについては、公式サイトを参考にしてみてください。

注意点

本記事は、無理やりサードパーティー製レンズを補正できるようにするという内容です。キヤノン公式が推奨・紹介している内容ではないので、あくまで自己責任でお願いします。

流れ

流れとしては、こんな感じです。30分くらいを想定しておくといいかなと思います。初回は作業量が多いですが、2回目以降は、8番目だけの作業になります。

  1. ExifToolをダウンロードする
  2. ExifToolGUIをダウンロードする
  3. ExifToolGUI 日本語化パッチをダウンロードする
  4. 必要な場所にダウンロードしたファイルを配置する
  5. 日本語化させる
  6. 変換したいレンズの名前を調べる
  7. メモ帳に整理用としてコマンドをメモする
  8. コマンドを実行してExif情報を書き換える
  9. DPPでレンズデータをダウンロードして使えるようにする

まとめると、「サードパーティー製レンズをそのまま認識するのは不可能。だったら、あたかもキヤノン製で撮影したかのようにソフト側を騙せばいいじゃん」ってわけです。厳密にいうと、そのレンズに一番合ったレンズ補正ができるわけではありません。まぁ、しないよりかは、したほうが綺麗に現像できます。

方法

ExifToolをダウンロードする

必要なファイルをダウンロードします。

ExifToolは、画像のExif情報を編集・確認できるツールです。撮影日時や場所などが記録されているExif情報をコマンドプロンプト(Windowsの場合)経由で書き換えることができます。

今回は、Windows版をダウンロードします。最新版の「Windows Executable: exiftool-〇〇.zip (6.4 MB)」をクリックします。

ExifToolのダウンロード

ExifToolGUIをダウンロードする

ExifToolを使いやすくするためにソフト化したツールExiftoolGUIをダウンロードします。

ExifToolはソフトではなく、コマンドプロンプトにて実行するんですが、初心者には扱いが難しいです。GUI版を利用することで、操作も楽になります。

緑文字の「Click here to download ExiftoolGUI v5.16」をクリックして、ダウンロードできます。

ExifToolGUIのダウンロード

提供元:BogdanH
記事執筆時のバージョン:5.16(2015年4月5日)

ExifToolGUI 日本語化パッチをダウンロードする

この作業はしなくてもいいのですが、簡単なので、どーせならやっときたい項目です。

ExifToolGUIを日本語化するパッチのダウンロードです。「英語のままでいいや」という方は、次項目へ進んでください。

「ExifToolGUI 5.16.0.0用(オリジナル)」のファイルをダウンロードします。「ExifToolGUI-51600-JP-002」ってやつです。

ExifToolGUI 日本語化パッチのダウンロード

提供元:サクエのテック備忘録

必要な場所にダウンロードしたファイルを配置する

必要なファイルをダウンロードできたら、全ての圧縮フォルダーを解凍します。右クリック→開くで解凍できます。

圧縮フォルダーの解凍

「ExifToolGUI-51600-JP-002」フォルダー内にある「ExifToolGUI-51600-JP-002.exe」と、「exiftool-12.30」フォルダー内にある「exiftool(-k).exe」を「exiftoolgui」フォルダー内へ移動します。

1つのフォルダーにまとめる

1つのフォルダーにまとめるってことですね。次に「exiftool(-k).exe」を「exiftool.exe」に名前変更します。

「exiftool(-k).exe」を「exiftool.exe」に名前変更

拡張子を非表示にしている方は、「.exe」の部分は気にしなくてOKです。

日本語化

ExifToolGUIの日本語化です。先ほどダウンロードした「ExifToolGUI-51600-JP-002.exe」を起動します。日本語化が始まるので、「ファイルアップデート 正常終了」と表示されるまで待ちます。一瞬ででると思います。

日本語化

ExifToolGUIを起動します。無事に日本語化されています。

ExifToolGUIのスクリーンショット

変換したいレンズの名前を調べる

以下のサイトにて、自分が変換したいカメラレンズの名前を調べます。

撮影した写真には、様々なデータが詰まったExif情報が埋め込まれているということは冒頭に話しましたが、その中の一つで「LensType(レンズタイプ)」というものがあります。

レンズタイプには、撮影したカメラ機種とは違って、撮影した時のレンズ情報が記録されています。

例えば、「EOS Kiss X10」の標準ズームカメラで撮影した場合は、レンズタイプは「Canon EF-S 18-55mm f/3.5-5.6 IS STM」となります。

レンズタイプの情報を、キヤノン製のレンズ名に書き換えることで「その写真はキヤノン製のレンズで撮影したよ!」とDPPをごまかせます。

そのために、キヤノン製レンズの正式名称を知る必要があります。

サイトにアクセスしたら、ずらーーと英語が表示されます。この中から、自分が所持しているサードパーティー製レンズに、焦点距離やF値が近いキヤノン製のレンズを探します。

これだけの中からお目当てのレンズを探すのは一苦労なので、ページ内検索機能を使いましょう。キーボードのCtrlFを押すと、ページ内検索ができます。

Canon Tags ページ内検索

検索窓に自分が所持しているサードパーティー製レンズの焦点距離を入力します。まずは、一番小さい焦点距離を入力して、絞り切れない場合は追加で「〇-〇mm」のように検索します。抽象的な言葉ばかりだと、イメージしずらいと思うので、僕のレンズで調べてみます。

僕が所持している「SIGMA 超広角ズームレンズ 10-20mm F3.5 EX DC HSM キヤノン用 APS-C専用」に近いキヤノン製レンズを探してみます。

ページ内検索に「10」と入力します。10だけだと、362件もヒットしちゃって全然絞れませんでした。

Ctrl+Fでページ内検索

そこで、さらに絞るために、最大までズームした時の焦点距離も追加して「10-20」で検索します。

僕が所持しているSIGMA(シグマ)のレンズがヒットしました。

焦点距離で検索

正しい焦点距離を入力すれば、自分が所持している社外品レンズがヒットするはずです。

キヤノン製レンズはヒットしなかったので、キヤノンは焦点距離10~20mmのレンズを販売してないってことになります。そこで、近い焦点距離を調べます。「10-21」でもヒットしなかったので、「10-22」にしてみるとヒットしました。

キヤノン製かどうかは、レンズモデル名の冒頭のメーカー名で判断できます。「Cannon」ならキヤノン製です。「EF」とか「EF-S」とかは、各自で調べてみてください。レンズの種類を表しています。

キヤノン製レンズのヒット

焦点距離が近いキヤノン製レンズを見つけたら名前をコピーします。僕の場合は「Canon EF-S 10-22mm f/3.5-4.5 USM」ってことですね。

パターン2

2022年2月1日に、新しく「SIGMA 高倍率ズームレンズ 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM キヤノン用 APS-C専用」を購入したので、同じように調べてみます。

ページ内検索で、焦点距離の「18-250」と入力します。SigmaとTamron製の2つのレンズしかヒットしませんでした。

SIGMA 高倍率ズームレンズ 18-250mmに近いキヤノン純正レンズを探す

次に、末尾の「-250」で絞り込んでみます。

ポイントとしては、ただの「250」だと、焦点距離以外の数字もヒットしちゃうので、あくまで形式は「〇-〇〇mm」に沿って入力します。「-250」だと、いくつかのCanon製のレンズがヒットしました。こちらをメモしておきます。

焦点距離「-250」で検索するといくつかCanon製のレンズがヒットする

次に、「18-2」と入力します。こうすることで、250mmではないけど、それに近い焦点距離を見つけれるかなぁと思ったからです。案の定、1件だけヒットしました。こちらもメモしておきます。「18-200mm」ですね。

焦点距離「18-2」だと1件だけヒットする

メモを見ながら、後は一つずつググって、一番近いレンズを選びます。

メモ帳 メモしたレンズの中から最も近いレンズを選択する

上記4項目の場合、どれも似たり寄ったりなので、どれでもいいんでしょうが、最終的には「Canon EF-S 18-200mm f/3.5-5.6 IS」にしました。

僕の場合だと、基本的に18mmに近い数字で撮影するためです。毎回250mmに近いズーム状態で撮影する場合は、最大焦点距離に合わせた「Canon EF-S 55-250mm f/4-5.6 IS II」とかがいいかなと思います。

メモ帳に整理用としてコマンドをメモする

頭を整理するためにメモ帳を開きます。この作業をすることで、今後の作業が楽になります。メモ帳じゃなくても、文章を書けるものなら何でもOKです。

スタートメニューを開いて、検索窓に「メモ帳」と入力します。「開く」でアプリを起動します。

スタートメニュー メモ帳

起動したら、先ほど調べたキヤノン製レンズのタイプ名を貼り付けます。

Canon EF-S 10-22mm f/3.5-4.5 USM

以下の文章(コマンド)を、その下に貼り付けます。

exiftool -MinFocalLength=〇 -MaxFocalLength=〇 -LensType="純正レンズのレンズタイプ" "変換したいRAW画像名"

下記画像のようになればOKです。

レンズタイプ変換コマンド

コマンドを自分用に書き換えます。

「-LensType="純正レンズのレンズタイプ"」の部分を、1行目に貼り付けたキヤノン製レンズの名前に置き換えます。入力は間違える可能性もあるので、コピペがおすすめです。

コマンドの内容を書き換える

「-MinFocalLength=〇 -MaxFocalLength=〇」には、キヤノン製レンズの最小焦点距離と最大焦点距離を入力します。サードパーティー製レンズではなく、変換したいキヤノン製レンズの情報なので間違えないようにしましょう。

僕の場合は、以下のようになります。

exiftool -MinFocalLength=10 -MaxFocalLength=22 -LensType="Canon EF-S 10-22mm f/3.5-4.5 USM"

コマンドを実行してExif情報を書き換える

コマンドを実行して、レンズデータを書き換えます。一枚ずつ変更する方法と、一括で処理する方法があります。まずは一枚で試してみて、成功したら一括でするようにしましょう。

ExifToolGUIに戻って、左側のブラウズタブからRAW画像が保存されているフォルダーまでクリックで移動します。移動できたら、真ん中の一覧タブにRAW画像がずらっと表示されます。

RAW画像の場所を選択

変更したい画像を右クリック→名前の変更をクリックします。

画像の右クリックメニュー

名前編集モードになるので、全選択して 右クリック→コピーをクリックします。

名前のコピー

先ほどのメモ帳に戻って、最後のコマンド部分「"変換したいRAW画像名"」にコピーしたファイル名を貼り付けます。貼り付けたらコマンドを選択してコピーします。

コマンドのコピー

ExifToolGUIに戻って、画面下の「コマンド実行」をクリックします。コマンド入力欄にコピーしたコマンドを貼り付けて、Enterを押します。

コマンド実行

コマンドが実行され、処理画面が表示されます。1枚なら一瞬で完了するかと思います。「<-END-」と表示されたらOKです。

ExifTool LOG

なぜか、僕の環境だと必ず1枚のエラーが表示されました。1枚しか指定してないのに「2 image files updated」と表示されるのもよくわからんです。まぁうまくいってるので、よしとします。

DPPでレンズデータをダウンロードして使えるようにする

DPPを起動して、変換したRAW画像を選択、レンズ補正タブをクリックします。「レンズデータ:非対応」だったものが「レンズデータ:なし」になっているので、レンズデータ取り込みボタンをクリックします。

レンズデータ:なし

自動で書き換えたレンズデータ(僕の場合は、EF-S 10-22mm f/3.5-4.5 USM)にチェックが入っているので、「開始」をクリックします。

レンズデータの追加と削除

「レンズのDownload機能は利用できません。対応するEOS Lens Registration Toolがインストールされていません。」とエラーダイアログが表示される場合は、DPP4を再インストールしましょう。

レンズのDownload機能は利用できません。対応するEOS Lens Registration Toolがインストールされていません。

以下のボタンからダウンロードできます。

ページを一番下までスクロールして、「Digital Photo Professional 4 for Windows」をクリックします。(Windowsの場合)

セットアップファイルが入手できたら、起動してインストールします。DPP4と一緒に「EOS Lens Registration Tool」が内蔵されます。

Digital Photo Professionalのインストール

インストールできたら、レンズ補正が利用できるようになっているはずです。

完了したら、無事にレンズ補正が使えるようになります。

社外品レンズでもレンズ補正が使えるようになる

複数画像を一括で処理する方法

ちょっとやり方が変わるだけで、基本的には一緒です。

一括処理するコマンド

こちらで紹介したレンズデータを書き換えるコマンドの末尾にある画像ファイル名を「*.拡張子」にします。

僕の場合は、RAW拡張子が「.CR3」なんですが、カメラ機種によって「.CRW」や「.CR2」と異なってくるので、各自の持っている拡張子に書き換えてください。

exiftool -MinFocalLength=10 -MaxFocalLength=22 -LensType="Canon EF-S 10-22mm f/3.5-4.5 USM" *.CR3

「アスタリスク(*)」とは、任意の文字列0文字以上という意味です。

つまり、名前がついている画像ファイル全てを対象にする…という意味です。こうすることで、1枚1枚画像ファイル名を指定しなくてもフォルダー内の画像を一括処理できます。

コマンド実行

ExifToolGUIを起動し、RAW画像がある場所まで移動します。下部にある「コマンド実行」に、一括処理用のコマンドを貼り付けて実行(Enter)します。

一括処理用のコマンド実行

ExifToolGUI LOGウィンドウが立ち上がり、処理が始まります。一枚の時は一瞬ですが、複数枚になると、それなりの時間がかかります。僕の環境では、170枚ほどで30秒ほどでした。

一括処理完了

定義コマンド編集

毎回、コマンドを引っ張ってくるのはめんどくさいです。そんな人のために、ExifToolGUIには「定義コマンド」と呼ばれるコマンドの登録機能があります。よく使うコマンドをお気に入りに登録しておくことで、一瞬で呼び出せます。

今回は、こちらの一括処理コマンドを登録してみます。登録したいコマンドをコピーします。僕の場合は、以下のコマンドです。

exiftool -MinFocalLength=10 -MaxFocalLength=22 -LensType="Canon EF-S 10-22mm f/3.5-4.5 USM" *.CR3

ExifToolGUIを開いて、①定義コマンド編集をクリック→②コピーしたコマンドを貼り付け→③好きなコマンド名を入力→④新規追加をクリックします。

定義コマンド編集

次回以降はコマンド入力する必要がなくなり、コマンド名からすぐに呼び出せます。

広角レンズ用書き換えコマンド

感想

以上、DPP4でキヤノン(Cannon)の純正レンズ以外のサードパーティー製レンズで、デジタルレンズオプティマイザや周辺光量などのレンズ補正機能を使う方法についてでした。

慣れたら結構サクサクできるようになるので、「安価な社外品レンズに興味があるけど、レンズ補正できないのはちょっと…」と思っている方、試してみてください。

SIGMA 超広角ズームレンズ 10-20mm F3.5 EX DC HSM キヤノン用 APS-C専用」を購入したのはいいですが、まさかのレンズ補正が使えなかったので、今回の方法で毎回置き換えています。

Posted by ナポリタン寿司