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【GIMP】「libgraphite2.dllから見つかりませんでした。」の対処法

GIMP

GIMPのアイコン画像

この記事では、Windows11で使っている画像編集ソフト「GIMP」で3.0系にアップデートしてから、「pythonw.exeエントリポイントが見つかりません」で「プロシージャ エントリ(略)libgraphite2.dllから見つかりませんでした。」エラーがでた時の対処法を書きます。

僕の場合、「Windhawk」ソフトが原因でした。

【GIMP】「libgraphite2.dllから見つかりませんでした。」の対処法

僕はWindows11のPCで「GIMP」を使っています。2025年5月にバージョン3.0.4が配信されたのでアップデートして起動してみると、以下のエラーが表示されて起動できなくなりました。

<!--ウィンドウタイトル-->
pythonw.exe - エントリポイントが見つかりません

<!--エラー内容-->
プロシージャ エントリ ポイント Unwind_Resume がダイナミック リンク ライブラリ C:\Users\ナポリタン寿司\AppData\Local\Programs\GIMP 3\bin\libgraphite2.dll から見つかりませんでした。
GIMP起動時にでた「pythonw.exeエントリポイントが見つかりません」エラー画像

アップデートする前は問題なく起動できていました。

いつものように起動したら「アップデートがあります!」ってお知らせがあったので、サイトに飛んで新しいバージョンのインストーラーをダウンロードしてインストールしたらこのザマです。

公式サイトからダウンロードしたGIMPの3.0.4セットアップファイル画像

原因を特定できたので困っている方のために記事にします。とはいえ、かなり局所的な原因と対処法です。

【原因】Windhawkと競合してエラーがでる

僕はWindows11のあれこれを非公式でカスタマイズできるツール「Windhawk」をインストールしています。

この時点で「いや、そんなのインストールしていない」って方は本記事に用はないです。本記事は「Windhawk」をインストールしている方向けです。

参考にならなくてすみません。

詳しいことは素人の僕には分かりませんが、ありがたいことにGitHubでやりとりがありました。

A GIMP issue was raised here for the 3.0 release candidates (RC1 and RC2), where a few users have problems running GIMP’s Python plug-ins.

The last reporter in the above link found that disabling windhawk allows to run GIMP’s Python plug-ins.

Note that I am not a windhawk user, just a GIMP developer, so can’t do any testing or give further information than what is available in the above link.

ChatGPT翻訳】
GIMPの3.0リリース候補(RC1とRC2)について、Pythonプラグインが動かないっていう問題がいくつか報告されてるみたいです。

上のリンクで最後に報告した人は、「Windhawk」を無効にしたらGIMPのPythonプラグインが動くようになったって書いてました。

ちなみに、自分はWindhawkを使ってないただのGIMP開発者なので、これ以上のテストとか詳しい情報は出せません〜とのことです。

GIMP 3.0 RC’s fail to run python plugins · Issue #380 · ramensoftware/windhawk

どうやらWindhawkを起動していると、GIMPにとっては不完全な「libc++.dll」Pythonプラグインが先に読み込まれてしまい、その結果、GIMPを起動した時に「ふぁ!?何だこのファイルは!?不完全やんけ!これじゃ起動できねーよ!」状態になっているっぽいです。

That’s the issue, Windhawk loads its version of libc++.dll when the process starts. Then libgraphite2.dll tries to use that version instead of loading its own copy of libc++.dll, which results in an error since Windhawk’s version is missing some exports.

I’m not sure when the new Windhawk version will be ready. A rough estimation is hopefully in a month or two. For now, if you’d like to implement a workaround on your side, perhaps the easiest thing is to rename your copy of libc++.dll and to update the import table of libgraphite2.dll (given it’s the only library importing libc++.dll) with the new name. You can rename libc++.dll to a new name of the same length (e.g. gmpc++.dll), in which case you can simply hex-edit libgraphite2.dll. It’s not pretty, but it’s probably the easiest workaround which doesn’t require code/toolchain changes.

ChatGPT翻訳】
問題はそこなんです。Windhawkがプロセス起動時に自分のバージョンの「libc++.dll」を読み込んじゃうんです。その結果、「libgraphite2.dll」が本来使うべき「libc++.dll」じゃなくて、Windhawkのやつを使おうとしてエラーになります。Windhawk版の「libc++.dll」には必要なエクスポートが一部足りてないんですよね。

新しいWindhawkのバージョンがいつ出るかはまだ分かってなくて、ざっくり1〜2ヶ月以内になんとか…って感じみたいです。

とりあえず今のところ、自分側で回避策を入れたい場合は、次の方法が一番ラクかもです:

  • 自分の「libc++.dll」を別の名前にリネームする(たとえば「gmpc++.dll」みたいに同じ文字数の名前にする)
  • それに合わせて「libgraphite2.dll」のインポートテーブルを更新する(これが唯一「libc++.dll」を使ってるライブラリなら)

この方法なら、単純に「libgraphite2.dll」をバイナリエディタで直接書き換えるだけでいけます。ちょっと力技だけど、ツールチェーンとかコードを変えずに済む一番簡単なやり方かもです。

GIMP 3.0 RC’s fail to run python plugins · Issue #380 · ramensoftware/windhawk

食べ物で例えると、すき焼きのタレ(Windhawkのlibc++.dll)と焼肉のタレ(GIMPのlibc++.dll)があって、先にすき焼きのタレを食卓に準備したせいで、いざ焼肉(GIMP)を食べようとしてもすき焼きのタレ(Windhawkのlibc++.dll)をかけちゃって味ちげーじゃんってなっている状態なのかなと思います。

この問題は2025年1月頃から報告されるようになり、実は2025年4月末には既に「Windhawk」側がバージョン1.6になり修正されました。

Fixed in Windhawk v1.6.

ChatGPT翻訳】
Windhawk v1.6 で修正されました!

GIMP 3.0 RC’s fail to run python plugins · Issue #380 · ramensoftware/windhawk

ただ、僕の場合は2025年5月で同様の問題が発生しました。

原因は「Windhawk」本体はアップデートしたけど、中身のMODが古いままだったからでした。

【対処法】「Windhawk」の一部MODを再インストールする

GIMPの強制終了

「pythonw.exeエントリポイントが見つかりません」エラーが表示されているとGIMPを終了できません。「×」でエラー画面を閉じても再び表示されるし、OKを押しても同じです。

一旦タスクマネージャーからGIMPを強制終了します。

Windows11のタスクマネージャーからGIMPを強制終了する手順画像
  1. タスクマネージャーを起動(Ctrl+Shift+Esc
  2. プロセスページを開く
  3. 上部の検索ボックスに「gimp」と検索
  4. GIMPのプロセスを右クリック→「タスクの終了」をクリック

Windhawkを開く

バックグラウンドで起動している「Windhawk」ソフトを起動します。

Windows11のタスクトレイにある「Windhawk」を起動する手順画像

もし「Windhawk」本体を最新版にしていない場合はMODを再インストールしても意味ないので、まず本体をアップデートします。

ターゲットプロセスが全てのMODを探す

「インストール済みのMOD」の「詳細」をクリックします。

「Windhawk」のMOD詳細ページを開く手順画像

MOD名の下にターゲットのプロセスが表示されます。

ここが「explorer.exe」とかじゃなくて、「〇〇以外すべて」や「すべてのプロセス」だとGIMPの起動をさまたげている可能性が高いです。

「Windhawk」にインストールしたMODのターゲットプロセスを調べる手順画像

インストールしているMODを一つずつ調べます。

例えば僕が使っていたMODだと、「Better file sizes in Explorer details」と「Modernize Folder Picker Dialog」がすべてのプロセスになっていました。

他に使っていた「Taskbar Volume Control」や「Taskbar Thumbnail Reorder」は「explorer.exe」だったので無関係です。

MODの再インストール

「全て」になっていたMODを今後も使いたい場合は、一旦削除して再インストールします。もし「別にもう使わんでええか」って場合は無理に再インストールする必要はないです。

「Windhawk」にインストールしたMODを再インストールする手順画像

GIMPが起動できるか確認

ターゲットプロセスが「全て」になっているMODを全部再インストールできたらGIMPを起動します。

無事に「pythonw.exeエントリポイントが見つかりません」エラーが表示されずに起動します。

Windows11でGIMPを起動したスクリーンショット

やって意味なかったこと

僕の環境で意味なかっただけで皆さんの環境では意味あるかもしれないし、皆さんが同じ無駄な工程踏まなくていいように書いておきます。

GIMPの再インストール

「ChatGPT」に丸々エラー文章を送ってみると、GIMPを完全アンインストールして再インストールという対処法を提示してきました。

「ChatGPT」にGIMPが起動できない時の対処法を聞いている画像

「でたでた。いつものありきたりな対処法。どーせ関係ないやろ」と思い、Windows11のインストールされているアプリ設定を開いて「GIMP」と検索してみると、なんと以前のバージョン(2.10)がまだインストールされたままでした。

Windows11にバージョンが異なる複数のGIMPがインストールされている画像

「あ、これはほんまにこれが原因かも!?以前のバージョンを綺麗に除去してくれなかったから競合しているのかも!?」と思わせてきました。

試しに両方とも一旦全部削除してみました。

Windows11の設定から一旦GIMPソフトを全部アンインストールする手順画像

僕は本来標準の設定からは削除せず、「Revo Uninstaller」ソフトを使って綺麗に除去する派です。今回は再びインストールするので、そこまで除去しなくていいと判断し標準の設定からアンインストールしています。

余談ですが、アンインストール時に「Do you want to delete your personal GIMP files」うんたらの英語ウィンドウが表示されるかもしれません。

「個人用GIMPファイル(設定、ツールプリセット、カスタムブラシなど)も一緒に削除しますか?」って意味です。僕は再インストールだけが目的だったので、「いいえ(設定を残す)」にしました。

GIMPをアンインストールする時に表示される設定保持するかどうかの画像

結果、変わりませんでした。綺麗にアンインストールして最新版をインストールしなおしても結局途中で同様のエラーがでました。

Windows11にGIMPを再インストールしている画像

「libglib-2.0-0.dll」や「libc++.dll」をリネーム

GIMPのエラーメッセージを見ると、「C:\Users\サポリン寿司\AppData\Local\Programs\GIMP 3\bin\libgraphite2.dll」がどうこうと表示されていたので、ここらへんを試しに名前変更してみましたが意味なかったです。

「GIMP」の「libglib-2.0-0.dll」や「libc++.dll」ファイルをリネームしている画像
<!--64bit版-->
%LOCALAPPDATA%\Programs\GIMP 3\bin

<!--32bit版-->
%LOCALAPPDATA%\AppData\Local\Programs\GIMP 3\32\bin

よく考えたら「Windhawk」の「libc++.dll」が先に読み込まれることで発生しているらしいので、リネームするとしたら「Windhawk」のほうかもです。「C:\ProgramData\Windhawk\Engine\Mods\64\libc++.dll」にあるやつですかね。

結局試すことなくMODの再インストールで解決したので分かりません。

感想

以上、Windows11で使っている画像編集ソフト「GIMP」で「プロシージャ エントリ(略)libgraphite2.dllから見つかりませんでした。」エラーがでた時の対処法でした。

まさか「Windhawk」が原因だったとは思いもしませんでした。

ターゲットプロセスが全てになっているMODは、文字通りGIMPなどの全てのプロセス(ソフトやシステム)に影響する可能性があるので、今後GIMPに限らずなんか起動できない…って場合は、割と真っ先に疑ってみるのがいいかもしれません。

2025年6月2日GIMP

Posted by ナポリタン寿司