Windowsの拡大鏡のショートカットキーを完全無効化する方法

この記事では、Windows11の拡大鏡のショートカットキー(Windows+プラス)を完全無効化する方法について書きます。
拡大鏡の実行ファイルを適当な名前にリネームすることで、完全無効化できます。
皆さん、今日も今日とて、Windows++をうっかり押しちゃって困っていますかー?僕もです。画面がぐわーーんと拡大されて困ります。誤タイピングが多い僕にとっては致命的です。Windows+Escで解除できるのですが、毎回押すのがめんどくさいです。
残念なことに、2022年4月現在、Windows11では標準の設定で、拡大鏡のショートカットキーを無効化することはできません。
少し手間ですが、拡大鏡の実行ファイルというものが存在しているので、そちらのファイルを実行できない形にする=拡張子を変更することで、完全無効化できます。
同じようにうっかり押しちゃって、ストレス溜まっている方、ぜひ参考にしてみてください。大体5分もあれば、完全無効化できます。元に戻すのも、いつでも可能です。
ただし、本記事で紹介する方法は、ショートカットキーだけでなく、拡大鏡という機能そのものを無効化します。設定→アクセシビリティ→拡大鏡からオンにしても、拡大しなくなります。
「それは嫌!あくまでショートカットキーだけ無効化したい!」という方は、こちらを参考にしてみてください。AutoHotkeyと呼ばれる外部のソフトを使うことで、ショートカットキーだけピンポイントで無効化できます。
本記事は、Windows11での解説ですが、Windows10でも一緒だと思います。
記事執筆時の筆者のWindowsバージョン:Windows 11 Home 22H2 22598.200
拡大鏡を完全無効化する手順
「C:\Windows\System32」にある「Magnify.exe」が拡大鏡の実行ファイルです。こちらをリネームすることで、機能自体を無効化できます。
ただし、System32フォルダーにあるファイルは特殊な権限を持っていて、通常の方法だと削除できません。まずは、こちらのファイルを編集できるようにコマンドプロンプト経由で権限を与えます。
コマンドプロンプト経由で権限の許可
ファイルの右クリック→プロパティ→セキュリティのダイアログから与えてもいいのですが、少し手間です。コマンドプロンプトの方が、早くアクセス権を与えることができます。
Windows11のスタートメニューの右クリック→ターミナル(管理者)をクリックします。

コマンドプロンプト、またはPowerShellが起動します。どちらでもOKです。
以下のコマンドを入力します。Enterで実行して、2行目が「C:\Windows\system32>」になればOKです。
cd C:\Windows\system32\

続いて、以下のコマンドを入力して実行します。
takeown /F Magnify.exe /A
以下のように表示されればOKです。コマンドプロンプトでの作業は終了なので、右上の「×」で終了してOKです。
成功: ファイル (またはフォルダー): “C:\Windows\System32\Magnify.exe" は現在 Administrators グループによって所有されてい ます。
コマンドプロンプトで「takeown /F Magnify.exe /A」と実行した時の成功メッセージ

権限の追加
コマンドプロンプトでは、権限を追加できるように許可を与えるって作業でした。この時点では、まだ権限は与えられていません。実際に自分で権限を与えないといけません。
①コマンドプロンプトで「食べてよし!」という命令を下す→②実際に食べるという感じですね。
エクスプローラーで、「C:\Windows\system32\」を開きます。
ずらっとファイルが表示されるので、その中から「Magnify.exe」を探します。Windows11の場合、というアイコンが目印です。見つからない場合は、右上の検索ボックスを活用してみましょう。
見つけたら、右クリック→プロパティをクリックします。

セキュリティタブ→編集をクリックします。

「Administrators」を選択→フルコントロールにチェックします。通常はチェックできないようになっていますが、コマンドプロンプトで権限を与えられるようにしたので、チェックできるはずです。

「適用」をクリックします。セキュリティダイアログが表示されるので、「はい」をクリックします。

Administratorsのフルコントロールにチェックが入っていることを確認して、OKをクリックします。

これで、アクセスの許可/追加作業は終了です。次からが本題です。
名前の変更
ファイルの拡張子を表示していない場合は、エクスプローラー上部のコマンドバー(リボン)→表示→表示→ファイル名拡張子をクリックします。

「Magnify.exe」を右クリック→名前の変更をクリックします。

末尾の「.exe」を変更・削除するか、さらにその後ろに別の文字列を書き加えます。ここでは、例として「.txt」にしてみます。実行ファイル(exe)以外なら、何でもOKです。
元に戻すことを考えると、元ファイル名には手を加えずに、別の文字を追記するのがいいかなと思います。本当は、存在しない拡張子にするのが安全なんでしょうけどね。存在する拡張子(txtとか)にすると、何かの拍子で不具合が起こる可能性も無きにしも非ずです。

アイコンが変更されて、実行ファイルじゃなくなればOKです。

この時点で、拡大鏡が無効化されています。
アクセス権を与えたままの状態が気持ち的に嫌な場合、「Administrators」のフルコントロールのチェックを外して、アクセス権を解除しておくといいかなと思います。
無効化できているか確認
実際に、Windows+プラス(;)を押してみてください。何も変化しないと思います。正確には、一瞬マウスカーソル付近に考えるマーク(青い円)が表示されます。画面は拡大しません。実際の動画も貼っておきます。
もし、拡大されてしまった場合は、Windows+Escを押した後、PCを再起動してみます。これで正常に無効化できると思います。それでも拡大される場合は、本当にリネームできているか確認してみましょう。拡張子ごとリネームするのがポイントです。
【注意点】設定からオンにしても拡大しなくなる
注意点ですが、設定→アクセシビリティ→拡大鏡で、オンにしても拡大しなくなります。ショートカットキーだけでなく、機能自体が抹消されているということです。

元に戻す場合
リネームした「Magnify.exe」を元の名前に戻すだけです。僕の場合は、末尾の「.txt」を削除するだけです。変更ダイアログが表示されるので「はい」にすると、元通り拡大鏡が使えます。
ショートカットキーだけ無効化する手順
キーやマウスに別の機能を割り当てるフリーソフト「AutoHotkey」を使うことで、ショートカットキーだけ無効化、または別のキーを割り当てることができます。
コードの書き方さえ知っておけば、自分で好きなショートカットキーを割り当てられます。
インストール方法、簡単な使い方は、以下の記事を参考にしてみてください。
インストールできたら、ahkファイルを作成して中に以下のコードを書き込みます。
;拡大鏡(Windows+プラス)の無効化
#;::Return

リロードして実行します。これで、Windows++のショートカットキーが無効化されます。
別のキー・機能を割り当てることも可能です。例えば、Chromeの起動を割り当てたい場合、以下になります。「Run」コマンドを使うことで、好きなアプリを起動できます。
;拡大鏡(Windows+プラス)にChrome起動割り当て
#;::Run, "C:\Program Files\Google\Chrome\Application\chrome.exe"
Return
無効化よりも、上記のように、何かしらの機能を与えた方が有効活用できるかもしれませんね。
感想
以上、Windows11の拡大鏡(Windows++)を完全無効化する方法についてでした。
本記事は、以下の記事を参考にさせていただきました。感謝です。