【User-Agent Switcher and Manager】UAを変更する拡張機能

この記事では、ブラウザのユーザーエージェント(UA)を変更するChrome拡張機能「User-Agent Switcher and Manager」について書きます。
「ご利用のブラウザは対応していません」と表示された時に、便利です。

ブラウザのユーザーエージェントを偽装(変更)するChrome拡張機能です。
ワンクリックで、切り替えできます。
切り替えれるブラウザは、数多くあります。いくつか例を出しておきます。30個以上はありました。
- Chrome
- Internet Explorer
- Safari
- Firefox
- Opera
- Microsoft Edge
- Vivaldi
- IE Mobile
- Android Browser
- Samsung Browser
- Yandex
- MIUI Browser
- Kindle
- Mozilla
- Chromium
さらに、それぞれのバージョンごと、OSごとで細かく切り替えできます。
例えば、ChromeはChromeでも、バージョン99.0にして、OSはMacにする…みたいなことができます。
OSは、Windows、Mac OS、Linux、Ubuntu、Android、iOS、Windows Phoneなどが用意されています。
全てのウィンドウか、現在アクティブなウィンドウに対して適用するかを設定できます。リフレッシュボタンもあるので、元に戻す時もらくちんです。
ブラックリスト(このサイトではUAを変更しないという設定)も個別に調整できます。
ユーザーエージェントとは、簡単に言うとブラウザやOSを識別している文字列のことです。
僕らがインターネットを利用する時に、ひっそりとこの情報がサーバー側(サイト側)に送信されています。
その文字列をサーバーが確認して、「あ、この人PCのWindowsを使っているな。よし、パソコン用のサイトを表示してやろう~」って感じで、表示するサイトのデザインを区別しています。
参考:ユーザーエージェント (UA)とは|「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典
しかし、この仕様が、稀に悪さをするときがあります。
例えば、令和3年の確定申告をe-Tax でしようと思ったら、「ご利用のパソコン環境(OS/ブラウザ)では、2次元バーコードを利用したマイナンバーカード方式によるe-Taxをご利用になれません。」と表示されて、Vivaldi ブラウザではできませんでした。
本拡張機能を利用することで、この壁を突破できます。
「ご利用のブラウザでは、本サービスは利用できません」と表示されるサイトを利用する時に便利です。
Webサービスを開発している人にとっては、デバッグする時に便利だそうです。
他ブラウザに切り替えて動作チェックしなくても、同じブラウザで色々な環境をシミュレートできます。
リリース元:rynu.smith
記事執筆時のバージョン:0.4.7(2021年5月2日)
ダウンロード方法
Chrome ウェブストアからインストールできます。
「Chromeに追加」からインストールできます。

使い方
「ご利用のOS、ブラウザでは利用できません」と表示されるウェブサイトにアクセスします。
例として、国税庁の確定申告書作成コーナーで試してみます。

通常、非対応のブラウザ(Vivaldi 等)でアクセスしたときに、以下のエラーが表示されます。
ご利用のパソコン環境(OS/ブラウザ)では、2次元バーコードを利用したマイナンバーカード方式によるe-Taxをご利用になれません。
以下のブラウザに切り替えてください。
・Microsoft Edge(Chromiumベースのもの)
【確定申告書等作成コーナー】-ご利用ガイド
・Google Chrome

そこで、UAを偽装していきます。
UAの変更
インストールした拡張機能ボタンをクリックします。
UA 変更画面が表示されます。

左上のドロップダウン(クリックしたら選択肢が出てくるメニューのこと)で、ブラウザの種類を選択します。

「Populars」に、主要なブラウザが表示されています。「Others」がそれ以外のマイナーブラウザです。
その次のドロップダウンでOSを選択します。Windows、Mac OS、Android、iOSあたりが主流ですかね。

それぞれのドロップダウンを選択したら、真ん中に候補が絞り込まれて表示されます。
Chrome、Windowsにすると、以下の画像のようになります。この中から、好きなバージョンを選択します。

ページはスクロールできます。
Chrome 0.2.149.6 (Windows XP)といった、かなり古いユーザーエージェントに変更することも可能です。

「userAgent」のボックスに、直接文字列を入力することもできます。
リストにない時に活用してみましょう。基本的には全部リスト内にあると思います。

選択したら、右下のApply(active window)か、Apply(all windows)をクリックします。

UA偽装の適用範囲 | |
---|---|
Apply(active window) | 現在のウィンドウのみに適用 |
Apply(all windows) | 全てのウィンドウに適用 |
拡張機能の右上が、偽装したOS名に変化します。Windowsの場合は、「Win」です。

これだけで反映されればいいのですが、反映されない時があります。この場合は、タブを一旦リロードします。
「Refresh Tab」をクリックするか、ブラウザのリロードボタン(F5)をクリックします。

再度アクセスしてみると、先ほどまでエラーが表示されていたのに、表示されずに次の画面に進めます。
UA 変更の解除
作業が終了したら、オフにすることをおすすめします。じゃないと不要な場面でも、ずっとUAを変更したままになるからです。
「Restart」をクリックします。

解除されて、通常通りのアイコンに戻ります。使っているブラウザ本体のユーザーエージェントを送信するようになります。

オフにしている時は、リソースを使用しません。メモリーやCPUの使用率を心配する必要がありません。
設定
「Options」をクリックします。

設定ページが開きます。

Black-List Mode
特定のサイトでは、本拡張機能を適用しないようにする設定です。
ここで追加したURLは、UAを偽装している時でも、ブラウザ本来のユーザーエージェントが送信されるようになります。
ドメイン単位で指定できます。
例えば、国税庁のサイトを登録する場合は、以下のようになります。
::通常の国税庁のURL
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/〇〇〇
::ブラックリストに登録する場合
https://www.keisan.nta.go.jp
::または、
www.keisan.nta.go.jp
上記URLだと、国税庁のサイトなら、どのページ(記事)も偽装しないということになります。
「https://」はあってもなくても一緒です。
複数サイトを登録する場合は、カンマで区切ってあげます。
www.keisan.nta.go.jp,https://www.naporitansushi.com
設定できたら、忘れずに一番下の「Save」をクリックします。

セーブして、ページをリロードすると設定が反映されます。
ブラックリストに登録したサイトにアクセスした場合、拡張機能アイコンがロックマークになって、UAを変更しても反映されなくなります。

ブラックリストから削除したい場合は、入力したURLを消して、Saveをクリックします。
White-List Mode
ブラックリストとは、逆の設定です。
ここで登録したサイトはUA変更を許可して、登録していないサイトは許可しないということです。
Custom Mode
高度なオプションです。
JSONを利用して、自分でユーザーエージェントを指定したりできます。
感想
以上、ユーザーエージェント(UA)を変更するChrome拡張機能「User-Agent Switcher and Manager」についてでした。