【NormCap】画面上のテキストをコピーするOCRソフト

この記事では、画面上の画像やコンテンツ内にある文字をドラッグ&ドロップで読み取って、テキストとしてクリップボードに書き起こしてくれるOCRソフト「NormCap」について書きます。
シンプルなOCR(光学文字認識)ソフトです。PCの画面上の文字を読み取って、クリップボードにコピーしてくれます。画像や、ソフト内の通常範囲選択できない文字をテキストに変換してくれます。
ソフトを起動すると、マウスのアイコンが変化します。この状態で、テキスト化したい部分を囲みます。
右下に通知が表示されて、読み取ったテキストが表示されます。この時点で、クリップボードにテキストがコピーされます。あとは好きなようにメモ帳やブラウザに貼り付けられます。
デフォルトでは、英語のみ認識できます。別途、日本語ファイルをダウンロードすることで、日本語も読み取れます。それ以外にも、数多くの言語に対応しています。
僕みたいなソフトやウェブツールを紹介する方に、ちょーおすすめです。「ソフト内の〇〇〇と書かれている部分をクリックしまーす」と紹介したい時、通常なら手動でタイピングする必要があります。
めんどくさいですよね。「インターネットの記事みたいに、範囲選択してコピーできればいいのに!」と思った方は、僕だけではないと思います。
本ソフトを利用することで、さくっと文字化できます。画像内の文字や、ソフト内の文字を、書き起こしたい方、ぜひ参考にしてみてください。
英語のソフトを使っていて、翻訳するためにわざわざ英語を見様見真似でGoogle翻訳などのサイトに入力していた方、今後は本ソフトを使ってみてはどーでしょうか。
本ソフト起動→範囲選択で、サクッとクリップボードに英語をコピーできます。そのまま翻訳サイトに貼り付けたら、あっという間にソフト翻訳できます。
Windows10、Windows11、どちらでも利用できます。Mac版も用意されています。
リリース元:dynobo
記事執筆時のバージョン:0.3.4(2022年6月25日)
ダウンロード方法
ソフト本体のダウンロード
以下のサイトからダウンロードできます。
最新バージョンのAssetsを展開して、「NormCap-0.3.4-Windows.msi」をクリックします。Macを利用している方は、「NormCap-0.3.4-MacOS.dmg」をクリックします。

ダウンロードしたセットアップファイルをダブルクリックで起動します。

インストールできたら「Finish」をクリックして、セットアップを終了します。

日本語テキストも読み取りたい場合
デフォルトでは、日本語テキストは読み取れません。別途ファイルを入手することで読み取れるようになります。
以下のサイトにアクセスします。
ずらっと各言語ファイルが表示されるので、その中から「jpn.traineddata」を探します。見つけたらクリックします。
「jpn_vert.traineddata」というファイルもありますが、こちらは縦書き用です。小説などの縦書き文章を読み取らない場合は、スルーでOKです。

クリックできたら、右上の「Download」をクリックします。これでファイルがダウンロードされます。

続いて、エクスプローラーを起動して、アドレスバーに以下のパスを貼り付けます。
%LOCALAPPDATA%\normcap\tessdata
tessdataフォルダーを開けたら、他の言語ファイルが入っているので、先ほどダウンロードした日本語ファイル(jpn.traineddata)をドラッグ&ドロップして同じように配置します。

これで、下準備は完了です。あとは後述する設定内で、日本語にチェックすることで、日本語テキストを読み取れるようになります。
使い方
テキストの読み取り
スタートメニュー内の「N行」にある「NormCap」をクリックします。

ソフトを起動すると、画面全体が赤い枠で囲まれます。ソフトの画面などは表示されません。シンプルです。
英語テキスト以外も、読み取りたい場合は、右上の歯車アイコンをクリック→Languagesで、読み取りたい言語にチェックします。
日本語ファイルをダウンロードした方は、ここで「jpn」にチェックします。一度設定すれば、今後変更する必要はありません。僕は、英語(eng)と日本語(jpn)の2つをチェックしています。複数チェックしすぎると、読み取りに時間がかかるので、ほどほどがいいかなと思います。

ソフトを起動している間は、マウスが十字アイコンになっているので、この状態で、読み取りたい場所を範囲選択します。

ポイントは、文字以外の図形や画像が極力映り込まないように囲むことです。綺麗にテキスト化したい場所だけを囲むことで、思い通りの結果を得られます。
上記のGIF画像は、「Shade」の左にあるアイコンは囲まずに、文字だけを囲んでいます。このように、最小限で囲みます。実際に一連の流れを動画にしてみました。
文字化するテキストの量にもよりますが、数秒程度で右下に通知が表示されます。表示されるまでは、ぼけっと待ちましょう。1単語程度だと、一瞬です。

通知が表示されたら、自動的に本ソフトが終了して、元のカーソルアイコンに戻ります。場合によっては、通知が表示されても画面が赤枠で囲まれた状態&マウスが十字のままかもしれません。その場合は、一度、画面の好きな場所をクリックすることで、元に戻ります。
クリップボードに、OCRで読み取ったテキストがコピーされているので、貼り付けたい場所でCtrl+Vを押します。見事、範囲選択できないソフト内の文字を、テキストとしてメモ帳に書き起こすことができました。

実を言うと、当サイトの記事で、海外製ソフトの翻訳を表として貼っている時がありますが、ほぼNormCapで文字化→DeepL翻訳に貼り付けという流れです。いちいちタイピングしているわけではありません。
こんな便利情報を言うと、同じように真似するブロガーの方が出てきそうで怖いです。世界で唯一NormCapを使っていると勝手に思い込んでいるナポリタン寿司の妄想です。
おすすめ活用方法
スタートメニュー、タスクバー、システムトレイに配置
毎回スタートメニューから起動するのは手間です。頻繁に利用する方は、もと効率よいアクセス方法を構築してみましょう。
手っ取り早いのが、スタートメニュー、タスクバーへのピン留めです。スタートメニューのNormCapを右クリック→「スタートにピン留めする」、または詳細→「タスクバーにピン留めする」をクリックします。

タスクバーにピン留めすると、いつでもサクッとアクセスできます。わざわざスタートメニューのN行までスクロールして、見つける手間が省けます。

また、NormCapの歯車アイコンからアクセスできる設定メニュー内の「Keep in system tray」にチェックするのもおすすめです。チェックすると、タスクバーのシステムトレイにアイコンが常駐します。

右クリック→Captureで、起動できます。

ただし、スタートメニューや後述するアプリランチャーソフト経由で、起動すると、起動した分、タスクトレイにアイコンが増えました。

自分が利用するアクセス方法によっては、タスクトレイアイコンはオフにしたほうがいいかなと思います。僕の環境だけだったら、気にしないでください。
アプリランチャーソフトに登録
CLaunchなどのアプリランチャーソフトに登録すると、より素早く起動できます。

CLaunchについては、下記記事を参考にしてみてください。個人的に、Windowsの中で、トップ5に入るくらいおすすめフリーソフトです。
ポップアップウィンドウは、Raptureとの併用
本ソフトをヘビーに使っていると、1点気になる点が出てくると思います。オーバーレイで表示されているポップアップメニューを選択できないという点です。
例えば、Windowsのスタートメニュー内のコンテンツをNormCapで読み取りたいと思います。しかし、スタートメニューを表示して、NormCapを起動すると、スタートメニューが閉じてしまいます。
ファイルの右クリックメニューも同様です。
この場合、AutoHotKeyを使ってショートカットキーを割り当てたRaptureを利用することで、対処できます。
Raptureは、画面上の一部を、切り取って最前面ウィンドウ化(画像)できるフリーソフトです。画面上の一部を固定化して何かと比較したい時に便利です。
Rapture単体ではショートカットキーを設定できないので、別のソフト「AutoHotKey」を使って、無理やり起動するショートカットキーを割り当てる必要があります。
Rapture×AutoHotKey×NormCapと、少し初心者さんには難しいですが、一度設定すれば、消えてしまうポップアップメニュー内も、NormCapで読み取れるようになります。
実際に動画を貼っておきます。
AutoHotKeyを使って、ショートカットキーでNormCapを起動することも可能です。
感想
以上、ドラッグ&ドロップの簡単操作で、画像やソフト内のテキストを文字化できるOCRソフト「NormCap」についてでした。
個人的に、Windowsのトップ30には入るおすすめソフトです。(30ってちょっと多すぎ?笑)